お葬式を執り行う

現役葬儀屋が教える 故人は自分たちで移動していいの?遺体の搬送は葬儀屋しか出来ない?法的な問題は?

遺体の搬送に関するまとめ
  • 葬儀屋じゃなくても遺体の搬送(移動)は可能
  • 法的には営利ではない場合に限り、自家用車などでもOK
  • 移動の際は必ず死亡診断書を携帯しなければならない

こんにちは、葬儀屋2年目葬太郎です。

あなたは「故人の搬送って、自分達家族でしたいと思ってるんだけど出来ないのかなぁ?」「葬儀屋の搬送って結構高いから自分達で安くできないかなぁ?」とこんな疑問を持ったことはありませんか?

葬儀の縮小化、簡素化に伴って、出来ることは自分達でしてあげたい。と思う方も増えてきています。

また、残念ながら死産してしまった場合や、故人が小さなお子様だった場合は「両親で連れて行ってあげたい。」という場合もあります。

そんな時に「遺体の搬送(移動すること)は法的にOKなのか?」というのは非常に気になるところですよね。

葬儀屋が緑ナンバーの車(搬送車・霊柩車)で移動するのはよく見かけるし、そういう会社が法律に則って業務として行っているので間違いありませんが、個人所有の一般の車でそれが出来るのか?

これから詳しくお話していきます。

葬儀屋以外が故人の搬送(移動)をしてもよいのか?

さて、早速ですが葬儀屋以外が搬送を行ってよいのか。これは葬儀屋以外が搬送してもOKです。しかし、いろいろと条件がありますのでケース毎にお話していきます。

法的に必要なもの

法律では遺体は貨物に分類されます。貨物なので、移動手段は何でも良いと思いがちですが(いや、思わないか…)公共交通機関などでは利用規約などに「死体・遺体は不可」と記載されていますので、必ず自家用車にしましょう。

家族が自家用車で故人の移動をする場合、葬儀屋が緑ナンバーの車で事業として故人の移動をする場合、いずれにしても「死亡診断書」または「死体検案書」を持っていたほうがよいです。

「持っていたほうがよいです」という表現になっているのは法的に規制はないが、移動の際に警察などに検問などで停められた場合、まず確実に死体遺棄や死体損壊、事件性を疑われるからです。そうなると、疑惑が晴れるまで何もできなくなります。

とまぁ、法的には持っていたほうが良いです。という表現になりますが、現役葬儀屋としては、余程の事情がない限り病院、警察から貰えるので絶対持っていましょう。というかむしろ貰えるのに何故持っていないのか?という点で警察も不審に思うと考えるので確実に携帯しておいた方が良いです。

補足・知恵袋などで搬送に関して書き込まれていることに思うこと

この遺体の搬送の件で知恵袋サイトなどで死亡診断書と法律と葬儀屋について「遺体の搬送は葬儀屋しか出来ない」や「死亡診断書が無くても葬儀屋は遺体を運べるが自家用車ではダメ」「死亡診断書・死体検案書がないと葬儀屋は遺体を運ばない」など書いてあったのを見て、現役葬儀屋の私がまとめてみました。

Q:遺体の搬送は葬儀屋しか出来ない。

A:ここに書いている通り、そんなことないです。

Q:死亡診断書が無くても葬儀屋はOKだが個人はNG

A:両方共(法的には)OKです。ただし葬儀屋は基本的に死亡診断書もしくは死体検案書が手元にない場合は搬送も御遺体の処置(詰め物など)もお断りします。理由は万が一事件性がある案件だった場合、「葬儀屋がそれに加担した」となってしまう場合があるからです。

万が一、お身内という方がお身内ではなかったり、実はお金の面などで自宅で故人が亡くなっていたのにもかかわらず医者や警察を呼んでいなかったりした状況で、葬儀屋が処置したり搬送したりしてしまうと、遺体の損壊、遺体の遺棄にかかわっているんじゃないか?という疑いをかけられてしまうことを防ぐためです。

葬儀屋以外が故人の搬送(移動)をする条件

さて、葬儀屋以外でも故人の搬送(移動)が出来ることは、先程おわかりいただけたと思います。

ただし、葬儀屋以外が故人の搬送を行うには条件があります。

営利でないこと

霊柩運送事業(亡くなった方を運ぶ事業)は、貨物自動車運送事業法に基づき、国土交通大臣から許可を受けなければ、業務を行うことが出来ません。

端的に言えば、専門の業者以外、例えば知り合いやそこら辺にいる人などにお金を払って搬送(移動)してもらう行為や、激安で搬送(移動)します(ただし自家用車で)という悪徳業者を利用するのは違法だと言えます。

死亡診断書・死体検案書があること

厳密には上に書いたように、法的に絶対必要なわけではありませんが、遺体を運ぶ必要に迫られている状況ならば、よほどのことがない限り死亡診断書・死体検案書を受け取っていると思います。

私の働いている地区では、自宅療養されている状況で夜中に亡くなってしまい、かかりつけの先生が来ても死亡診断書を書くのは翌日になる。という場合はありますが、既に自宅で療養しているので介護ベッドなどがあると思います。

翌日までの数時間で移動しないといけない状況ではないので、やはり移動しなくてはならないのに死亡診断書がない。という状況は稀だと思います。

なので、もし死亡診断書・死体検案書を移動時に携帯していないと怪しまれてしまうわけです。

搬送に適した準備がなされた車両で移動すること

これは、必須ではないですができれば満たしておいたほうが良い条件です。

葬儀屋が故人を搬送する際は、ストレッチャーごと乗せることが出来る専用の車両を使っています。

故人が赤ちゃんなら抱いたままの移動も可能ですが、大人の場合は寝かせて移動できるスペースが必要です。

もし、オススメはしませんが病院等で詰め物などの処置がされていないまま移動するなら、必ず穴を塞ぐ、おむつを履かせるなどの最低限の処置はしておきましょう。

そうしておかないと、体液や血液、その他が溢れてきます。掲示板などでは「そんなことをしなくても大丈夫」と書かれているのを見かけましたが、そういう方はあくまでもその方の見た範囲では。の話です。年間に数百人以上見ている私としては、出てこない場合もあります。が基本的に出てくると考える。という認識です。

ましてや、専用の車両で移動した場合の話ですので、もっと安定しない自家用車では出てくる確率は上がると考えられます。

また、自家用車にはシートを敷いておくのも忘れずに。専用の道具のみを販売してくれる業者もあるようです。

そうそう「セダンや軽自動車などで椅子に座らせた状態で運ぼうと思っています。」という書き込みも見つけましたが、間違いなくやめておいたほうが良いです。死後硬直もあって体を座らせるのも難しいですし、間違いなく車の中は悲惨な結果になりますので…

 

葬儀屋に搬送を頼むメリット

基本的に、悪徳ではない普通の葬儀屋なら、ある程度決められた価格の範囲で故人の搬送だけでもしてくれます。

その場合、その葬儀社に葬儀を頼まなくても大丈夫です。(ただ予めその旨を伝えておいたほうが良いです。)

また、搬送業務に慣れているのでもたつくこともなくスムーズに移動も完了できるのでご家族の負担も時間的な意味でも少なくなります。

価格が高い…とは思いますが専用の車と道具、常時人員を待機させておく人件費を考えればぼったくりでは無いと思います。

自分達で運んで車のクリーニングが必要になったり、道具を買ったり、人を集めたりという労力を考えれば…個人差もあるとは思いますが、理解していただけるのではないかと思います。

それでも、自分達で搬送したいときは

遺言や、他の人に触ってほしくないなどの特別な理由で、どうしても故人を自分達で搬送したい時の注意点をまとめてみました。

自家用車での移動は基本的に納棺してからがよい

上記のように、御遺体の移動には様々な気をつける点があります。できれば病院から自宅までは葬儀屋に搬送を頼んだほうが良いです。

自分達で搬送するのは、自宅から火葬場までが良いと思います。

その場合、棺を葬儀屋やインターネットなどで購入し、納棺してからの移動になります。

納棺後なら棺を車に乗せることができれば、納棺前よりはるかに簡単に移動が可能です。

自分達での移動をまとめると

  • 死亡診断書・死体検案書を携帯する。
  • 車はワゴンタイプなどの寝かせることが出来るもの。(レンタカーは✕)
  • 移動の際は詰め物などの処置をしてから。
  • 車にはシートなどを敷く
  • 基本的には納棺してからの移動がよい

となります。

書きながら「あ、これも気をつけてほしい。あ、あれも…」と追加していっているので、なんともとりとめのない文章になっているかもしれません。

わかりにくい時はコメントなどで教えてください。

あなたの参考になれば幸いです。