- 故人がエホバの証人ではない場合、王国会館で追悼式ができない
- お葬式の形態を選ぶのは、その人の気持ちしだい
- ルールが細かくあるが、葬儀屋との話し合いが重要
こんにちは、葬儀屋2年目葬太郎です。
このブログでエホバの証人のお葬式とは?この記事が一番人気ですので、きっと知りたい人が多くいると思い、その2を書くことにしました。
あなたももしかしたら上の記事からこのページを見てくれているのではないでしょうか?
確かに知名度の割りに情報が少ないので、あなたも興味を持ったのかもしれませんね。
さて、何故その2を書くことにしたのかですが、実は最近エホバの証人のお葬式(追悼式)が実際に葬儀屋に入ったのです。そこで状況によってはこんな風にもなるんだなぁ。ということを知ったので、あなたにも「こういう場合もあるんですよ」というリアルをお話できればと思ったからです。
葬儀屋として守らないといけない情報はとても多いですので、葬儀に関して以外はフェイクも入りますがご了承くださいね。
また、この内容は葬儀屋での経験とエホバの証人の方に聴いたお話と、両方を合わせて慎重に書いていますが、もしかしたら食い違いがある部分もあるかもしれません。もし「ここはこうだよ」という部分がありましたら教えてください。
エホバの証人のお葬式が葬儀屋に依頼されるのってどんな時?
エホバの証人のお葬式が葬儀屋に依頼されにくい理由
まずは何故エホバの証人のお葬式(エホバの証人では追悼式と呼びます)が葬式屋に依頼されにくいのかですが、これは故人がエホバの証人且つ喪主もエホバの証人の場合、基本的に王国会館で行う場合が多いからです。詳しくは公式HPからエホバの証人のお葬式の考え方を参照してください。
注(エホバの証人は喪主という概念は無く、追悼式の代表と表現するようです。ですが本ブログではわかりやすくするため喪主という表記を使う場合もあることをご了承ください)
また、故人がエホバの証人で喪主がそれ以外の宗教の場合、喪主の宗教で行うことが多いように思います。
葬儀屋に依頼があるパターンとしては
- 故人、喪主共にエホバの証人で生前の知り合いが多く王国会館に入りきれない場合
- 故人が他宗教もしくは無宗教で、喪主がエホバの証人の場合
このどちらかだと思います。
どちらもあまりないパターンなので葬儀屋への依頼が少ないのだと考えています。
エホバの証人 追悼式 パターン1 知り合いが多い場合
故人、喪主共にエホバの証人で生前の知り合いが多く王国会館に入りきれない場合は葬儀社のホールを使うことがあるようです。
こちらのパターンですが、一度だけ先輩がやったことがあるそうです。
こちらのパターンの場合、エホバの証人のお葬式の作法に則り、通夜にあたる部分は無く当日の追悼式のみとなったようでした。
参列者もほぼエホバの証人の関係者の方だったようでしたが、ちらほらと故人の生前の知り合いでエホバの証人ではない方もいらっしゃったようでした。
こちらはまさに、前回の記事でも書いたとおりのお葬式です。
エホバの証人 追悼式 パターン2 故人と喪主の宗教が異なる場合
今回のケースはこちらでした。そして現実的に、故人と喪主の宗教が異なるというパターンって多いと思うのです。
エホバの証人の場合、故人が入信していないと(まぁ他の宗教でもそうですが)王国会館は利用できないようです。
ですので、葬儀屋に依頼されたと思うのですが、エホバの証人となると非常にレアケースです。
今回は、喪主:エホバの証人 故人:無宗教 親族:いろいろ という状況でした。
仏式の場合は喪主が付き合いのあるお寺にお願いするケースは珍しくないのですが、ほとんどのお葬式の場合、喪主以外に親類縁者が口を出すことも多いので、珍しい宗教だと「とりあえず周りの目もあるし、故人は入信していないんだから近所のお寺に頼む」というパターンが出てきます。
なので余計に「エホバの証人の葬儀は葬儀屋で行わない」ケースが多いのだと思います。
ただ、今回の喪主様は親族の反対を押し切ってご自分の意見を通し「エホバの証人の追悼式」を執り行いました。
葬儀屋目線からすると珍しいなとは思いましたが、信仰心があるんだなぁと感じました。
どんなお葬式にするのかは喪主次第
故人、喪主共に同じ宗教なら特に問題は発生せず、その宗教の決まったお葬式をすればよいのですが、違う宗教(特にキリスト経系や新興宗教系)だといろいろと問題が発生します。
仏式、神式の場合おおよそですが
- 通夜
- 告別式(お葬式)
- 出棺
- 火葬
と、流れも同じです。(細かく言えばいろいろとあるのですが割愛します)
また仏式、神式ともに日本人には七五三や地域の祭りなど、馴染みがあるので違和感なく受け入れられるのかもしれません。
しかし、エホバの証人のお葬式には「通夜」という概念がないため告別式にあたる「追悼式」のみとなっています。
そうなると故人の逝去を知ったご近所さんや付き合いのある方、友人などが一般的に通夜があると思ってお家や葬儀屋に来てしまうわけです。
ですので、今回は「通夜」と記載するわけにもいかないが、前日にもお別れの日を設ける。ということになり追悼式を2日間行うことになりました。(1日目はお別れのみで特に何もありませんでした)
こだわりがある場合は、葬式屋と相談しよう
エホバの証人であるにしろ他の宗教にしろ、ここだけは外せない!という個人的なこだわりや、宗教的なこだわりがある方は意外と多いと思います。
何がよくて何がだめなのか。
宗教的なお布施、香典、供物のこだわり。
式中のこだわり。
呼び名のこだわり。
本当に細かく言えばいろいろとあると思います。もし、あなたが関わるお葬式でそのようなこだわりがある場合、後で本当はこうしてほしかったのに・・・となるくらいなら、必ず先に担当の葬儀屋と相談してください。
ちなみに今回は「喪主」という呼び名、「通夜」「告別式」と呼ばず「追悼式」への統一、一般参列の方用の香典返しのお礼状の内容など、複数の点で変更がありました。
葬儀屋は、あなたにこだわりがあるならできる限り善処しようとするはずです。もしあなたが「これは、当たり前だよね」と思ってることでも葬儀屋目線から見ると「知らなかった・・・」ということも申し訳ないですが意外と多いです。
お葬式って本当に十人十色
ここまでエホバの証人のお葬式の実例を踏まえて紹介してみましたがいかがだったでしょうか?
私も初めての部分も多く非常に勉強になりました。
この喪主様の場合、自分の信仰しているエホバの証人でお葬式を行いたい気持ちと、故人の親族、友人などに配慮した結果、葬儀屋と話してこのような形態になったのだと思われます。
これが宗教的によいのか悪いのかの判断は私は行いませんが、いろんな状況、信条や心情が合わさって本当にお葬式って十人十色だなぁと感じました。
これは次回書く予定の「家族葬」に関する内容ともリンクしています。
基本的に故人がどうしてほしいという遺言が残されていないなら、喪主=お金を払う人が決めるのが個人的にはいいように感じます。お金を払わないで言いたいことを言う方も多数おられますが、その方たちに押されてしまうとお葬式が終わった後に微妙な空気になってしまうこともあります。
あなたがお葬式を行う側になったとき「こんなはずじゃなかった。」「わかっていると思った。」という事がないように、是非お葬式屋さんとよく話してくださいね。
あなたのお役に立てば幸いです。