- 誰が喪主をやるかで揉める
- お金をかけたくない
- 出来れば福祉葬にしてほしい
- 知られたくない
- 打ち合わせの悲しい現場
こんにちは、葬儀屋2年目の葬太郎です。
今回は、いつもとは打って変わって、私がリアルに目にしているお葬儀の現場のお話を一つ。
故人が結婚もしていなく、子供もいない場合で兄弟の方がお葬式をすることになった時
その故人が兄弟と疎遠になっていたのに、身寄りがないために、兄弟がお葬式をあげざるを得ない状況になったときのお話です。
フェイクは入りますが、やり取りはリアルです。
さて、それではこんな話もありますよ。ということで読んでみて下さい。
喪主は誰がやるのか
まず、一番始めに、故人が亡くなった後の打ち合わせで…
というより実際は、亡くなったのでお葬式をお願いします。という電話で
いきなり
「どうしても、私達がお葬式をしないとだめでしょうか?」
というお話から入りました。
私としては、最後を看取った方がいらっしゃるなら、ご家族様でお葬儀をあげていただくのが…と言ったお話をさせていただきましたが
「こういうのは、付き合いも殆どなかったので市町村でやってくれないですか?」
と、聞いてこられました。
私は、状況にもよると思いますので、一度市町村に問い合わせていただけませんか?とだけお話させていただきましたが、その時点で一抹の不安を抱えていました。
その後、故人は生活保護を受けていたわけでもなく、仕事もしていたようですので「福祉葬」の申請はできず、兄弟がお葬式を行うことになったようですが
どうも故人はいろいろとやんちゃな方だったようで
兄弟が口を揃えて、あのろくでなしのために出す金はないから、一番安くしてくれ。と。
ちなみにお葬式屋さんでの一番安いお葬儀に関しては一番安いお葬式の方法って?を参考にしてみて下さい。
その後、このような形でどうですか?という、いわゆる「直葬」でまとまったのですが、今度は喪主として誰の名前にするかでだいぶもめていらっしゃいました。
お金をかけたくない
先程も書いたのですが、とにかく故人とご兄弟の間に何か確執があったようで、こんなやつのためにお金はかけたくない。というのがご兄弟の総意でした。
そうなると、一番安いお葬式の方法って?の通り
いわゆる
- 直葬
- 火葬式
というものになるのですが、それでも15万円前後のお金がかかってきます。
故人はお金を残していなかったようで、このお金を誰が出すかということで、兄弟の間でお話し合いが始まりました。
また、それ以外にかかるお金。
いわゆる宗教者へのお礼(直葬、火葬式だとこちらのほうが高い)もどうするかで悩んでいましたが、結局宗教者は頼まない。という選択を選んでおりました。
出来れば福祉葬にしてほしい
福祉葬とは、亡くなった方が住んでいる市区町村がお金を出して、市町村職員が立ち会う形式のお葬式になります。
身寄りがなく、生活保護を受けていた方などに対して行われるお葬式の方法です。
当然、これをやるには条件がありますが、私達お葬式屋さんが進めるものでもないですし、ましてや「この条件なら福祉葬でもいけますぜ…フフフ」なんて言うことはまずありえません。
未婚でお子様もいない高齢者の葬儀になると、ご兄弟、親族の方から、福祉葬の相談を受けますが、葬儀屋として出来るアドバイスはほとんどありません。
市町村に確認して下さい。
となってしまうのですが、まぁ殆どの場合、兄弟親族がいる場合は通らないことが多いです。
今回も、先程書いたようにそのような相談を受けたのですが「市町村に確認して下さい」以上の返答は出来ませんでした。
しかし、なんとなく悲しい気持ちになってしまったのは私だけでしょうか…
知られたくない
これも、直葬、福祉葬となると必ずと行っていいほど聞く言葉です。
周りには知られたくないし、付き合いもないから新聞や看板はやめてくれ。というものです。
当然、兄弟親族の方にも事情というものがありますから、そう言われれば
「わかりました」
と答えて、新聞にも載せず看板でも告知することはありません。
お葬式はお客様のご要望が一番ですし、我々葬儀屋が家庭の事情にまで口をだすことはありません。
しかし、どこからか聞きつけてきてしまう方というのは、何故かいらっしゃるものです。
その時にその人達に香典返しはどうするのか。などはあらかじめ考えておいたほうが良いとは思います。
(マジで一切情報を漏らさなくても何故か聞きつけてくる方、問い合わせをしてくる方というのはいらっしゃんです)
ちなみに、はじめの段階で告知は一切不可な旨を伝えてもらっている場合、葬儀屋さんは、問い合わせが来たとしても
「お答えできかねます」
と回答するので、事情がある方は先に葬儀屋に申し出てもらえると良いと思います。
打ち合わせの悲しい現場
このように、お葬式の場はいろんなことに溢れています。
お葬式は一つ一つが異なり、同じものがないです。
だからこそ私達はやりがいを持って対応しますし(ときには失敗することもありますが)なんとかお客様の要望を満たそうと努力しています。
しかし、たまーに、なんか寂しくなるようなお葬式のご依頼を受けることもまた事実です。
今回は、そんなエピソードを一つのお葬式のリアルとしてご紹介しました。
あなたがお葬式を考える際の参考になれば幸いです。