- 事情がある場合は当然仕方ない
- お金を気にしている場合は損をする可能性が高い
- 都会ならよいが田舎ではやらない方が無難
- 地域によってはあとで余計にめんどくさい事になることも
- どうしてもそうしないといけないかよく考える
こんにちは、葬儀屋2年目葬太郎です。
「ご近所に手伝ってもらうのも悪いし、全て内緒のまま家族葬にしたほうが楽かな?」最近はこのように考える方が増えているようです。あなたもこう考えた事がありますか?
この記事でも書いていますが出来るだけ簡素に。というスタイルも一般化しているようです。
ええ、当然お葬式屋さんとしては由々しき事態なのですがこれはお客様と時代に合わせてお葬式も変わっていくので仕方がないことです。
突然ですが、悪い言葉に「村八分」という言葉があります。
これは、いわゆるいじめなので、とてもよくないのですが、この村八分。村十分ではないんです。どういうことでしょうか?
そう、10個ある付き合いのうち、8個は付き合わないが、2個は付き合うという意味なのです。
その2個とは、火事(消火活動)と葬式。他は仲間はずれにしても、これらだけは付き合うのです。
そんな、お葬式ですが、最近ではこのお葬式のお手伝いを断るケースがとても増えています。
お手伝いを断ること自体は、葬儀屋が一般化したことによって、わざわざご近所の手を煩わせることなくお葬式が出来るようになった。という面がありますが、それ以上にそもそもご近所にも知られたくない。会葬も断りたい。というパターンも増えています。
当然ながら、お葬式を行うご家族の意志が最優先されますので、そこに葬式屋がとやかくいうことはないのですが、その後に起こったいろいろな話を聞く機会があり
「ああ…ちゃんと近所には知らせとけばよかった。」
「なんか(地域で)変な感じになってしまった…」
という声もちらほら聞きます。
ですので、ここではお葬式屋さん的に、これらのメリット・デメリットをまとめてみることにします。
これらの情報を読んで、密葬や、全てを辞退する。という結論を出してもらうことは全然構いません。
ただ、知らないまま全てを辞退して後悔してほしくないというだけです。
当然、各家庭ごとに事情がありますし、あなたが納得した上で選んだことには葬式屋としては精一杯お手伝いをさせてもらいます。
ちなみにですが、本当の家族葬とはこういうものだと思います。家族のみでやるので一般は全て辞退します。(ただお知らせはしますが…)マスコミや広告で「家族葬」という言葉に慣らされている感がありますが、もしあなたが家族葬を考えているなら、ぜひ今回の記事を読んでみてください。
そこで、お葬式屋さんが教える密葬や近隣に知らせないお葬式。会葬者、御香典、御供物全てを辞退する事はよいのか?メリットデメリットをまとめてみました。
初めに。前提として、やむを得ない事情がある場合
まずは、初めに「やむを得ない事情がある場合」の説明をしておきます。
いくら、メリット・デメリットと言っても、前提として知らせたくないやむを得ない事情というものがあります。
例えばですが
- 事件に巻き込まれた
- 自然死、病死以外で警察が介入する事態になっている
- 自死(自害)
- 親族間の間柄がとても悪い
- お金が絡む面倒な事態に発展する事があきらか
- 地域との間に解決できない問題があり、且つ引っ越す
- 著名人
- ストーカーなどの問題で自分の居所を公にできない
ざっとですが、少し考えただけでも様々な事態が考えられます。
この中には、黙っていても近所に知られてしまうものもたくさんありますが、これらに該当している場合、余程のことがなければ詳しくは聞いてこないと思います。
さて、この後はこれらに該当しない「普通」のお葬式で、密葬や全てを辞退するメリット・デメリットについて解説していきます。
どんなパターンがあるの?
ここからは、パターンごとの解説をしていきます。
「家族葬」と「会葬辞退」「香典辞退」「供物辞退」「近隣の手伝いの辞退」「近隣への通知なし」を混同している場合もあります。家族葬に関してはコチラの記事に詳しく書いていますので合わせて読んでみてください。
ちなみに会葬は、お通夜やお葬式に出席することを指しています。
香典は、いわゆる、お金を貰うことで、供物はお葬式に参列したことがある方ならわかると思いますが、式場に飾ってある名札のついた花や、名札のついた籠盛りのことです。
それではいきますね。
会葬辞退(葬儀のみ)
読んで字の如く、葬儀は家族のみで行いたいので、会葬に来てくれる場合はお通夜に来てください。というものです。
会葬辞退(通夜・葬儀)
こちらは、お通夜も葬儀も家族または近親者のみで執り行いたいので、会葬全てを遠慮してください。というものです。
香典辞退
こちらもそのまんまで、お悔やみのお金を貰うことを遠慮することです。
供物辞退
こちらは、身内のみ供物を受ける場合と、全部の供物を辞退するパターンがあります。
近隣の手伝いの辞退
近所付き合いの多い田舎では、出来ない場合もあるのがこれです。
近隣の方に受付やお茶出しをお願いすることです。
近隣の通知なし
こちらは手伝いだけでなく、訃報を回す、自治会長などへのお知らせもしない。というパターンです。
全て辞退
これまで紹介したもの全てを辞退することです。
ざっと、あげるとこのぐらいでしょうか。
他に、新聞に載せない。などもありますが、新聞は昨今は載せない場合も増えてきています。が、訃報は都心部は知りませんが、地方では回したほうが無難だと思います。
次に、各パターンのメリット・デメリットを見ていきましょう。
パターン別 メリット・デメリット
それでは上記のメリット・デメリットを解説していきます。
会葬辞退(葬儀のみ)のメリット・デメリット
メリット
近所の方や故人の知人友人なども通夜で最後のお別れが出来る。でもお葬式は身内のみなので、身内の人がゆっくりとお別れ出来る。
デメリット
お通夜に参列できず、お葬式の日しかこれなかった方たちが、一目見たかった。と言われることもある。
これは、そんなにデメリットもなく、家族のお別れの時間もゆっくり取れるので特に問題はないと思います。お通夜に参加できなかった方も、お家で御仏壇や神棚に手を合わせに来ていただくことも出来ます。
会葬辞退(通夜・葬儀)のメリット・デメリット
メリット
身内以外を気にすることがないので、故人とゆっくりとお別れが出来る。知らない人などに会わなくて済むため、気持ちにゆとりを持てる。
デメリット
参列できなかった方から、何故参列させてくれなかったのか?などの苦情が来ることがある。故人が若い(65歳未満)だと現役時の知り合いなども繋がっている可能性が高いので、余計にそうなる確率が上がる。
これは、状況によって…の面が大きいと思います。自分たちが楽なので。という理由でこうしてしまうと、その時は楽でも後から面倒が増える気がします。
香典辞退のメリット・デメリット
メリット
大体が会葬辞退とセットになっていることが多いです。一部の宗教(エホバの証人など)では香典を受け取らないのでその際に使われることもある。
お金をいただかないので、その後の付き合いが少なくてすむ。また、会葬は行けないけど、とりあえず香典だけ…という方へのお返しもなく、気を使わずに済みます。
デメリット
そもそもの発端は相互扶助(大きくお金がかかる行事は、皆で出し合って負担を減らす)なので、貰えば金銭面では助かることを放棄するということになる。つまり自分たちの持ち出しの金額が増えてしまう。
また、会葬辞退、香典辞退ということは、「今後近隣でお葬式があっても、私は貰ってないので香典は出しません。」という風に余程の理由がないと、とられられてしまいます。
現在地方に住んでいて、今後も住み続けると考えているなら地域での立場が難しくなるかもしれません。
これは、余程の理由がない限り、都心部などでは別だと思いますが、地方ではあなたにそんな気がなくとも「今後の付き合いを遠慮します」と捉えかねられてしまいがちです。また、お返しを渡したとしても香典を貰えば金銭面としてはプラスになります。
供物辞退のメリット・デメリット
メリット
大体が会葬辞退、香典辞退とセットになっていることが多いです。一部の宗教(エホバの証人など)では供物を受け取らないのでその際に使われることもあります。
香典と一緒になりますが、お金(物)をいただかないので、その後の付き合いが少なくてすみます。また、会葬は行けないけどとりあえず香典(供物)だけ…という方へのお返しもなく、気を使わずに済みます。
デメリット
供物だけを辞退することはあまりありませんが、もし、供物だけを辞退するのならそこまでのデメリットはありません。ただ、供物を出す。というのは関係のある企業や親族、地域の振興会や所属している習い事などに限られると思います。なので、何故出せないのだろうか?と相手側に思われてしまうことがあるかもしれません。
そんなにデメリットもないのですが、貰うだけなのに貰わないというのは、ある意味デメリットかもしれません。しかしながら基本的には香典と供物はセットで辞退することが多いので、デメリットは香典辞退と同じになります。
近隣の手伝い辞退のメリット・デメリット
メリット
近所の方が来ないので、気を使ったりお願いしたりという手間が省ける。またお食事などを出す人数が減るので、金銭面でも負担が少なくなる。
デメリット
都会ではまったく問題ないと思います。(都会のお葬式はあまり携わっていませんが…)ただ地方では、自治会の方から「ウチの地域はやるものなんだから、そういうのは困る」というクレームが入ることがあります。その地域で住み続ける場合、問題が増える可能性があります。
あなたが住んでいる地域は、手伝いが必須なのか必須ではないのかを、予め確認しておくのが無難です。また、必須地域で理由があってお手伝いを断る場合は、予め相談しておいたほうが良いです。
いざ、という時になったら、その事に気を回している余裕は持てなくなりがちです。
近隣の通知なしのメリット・デメリット
メリット
完全に身内のみなので、身内の人がゆっくりとお別れ出来る。気を使うことがない。
デメリット
近隣の手伝いなしと同じように、都会ではまったく問題ないと思います。(都会のお葬式はあまり携わっていませんが…)
ただ、近隣の方や故人の知り合いが、故人が亡くなったことを知った時に、何故しらせなかったのか?と言われてしまう。自治会などに入っている場合、後から文句を言われることもある。その後住み続けることを考えると大変。
あなたが住んでいる地域で、一回も訃報なども回ってきたことがない。もしくは都会、アパート暮らしなどの場合は大丈夫だと思いますが、地方で一軒家などだと後々面倒なことが起こる確率が高いです。
全て辞退のメリット・デメリット
メリット
身内の人がゆっくりとお別れ出来る。まったく気を使うことがない。
デメリット
お通夜に参列できず、お葬式の日しかこれなかった方たちが、一目見たかった。と言われることもある。
これは、そんなにデメリットもなく、家族のお別れの時間もゆっくり取れるので特に問題はないと思います。
何故そうしたいのか?を考えておく
ここまでで、おおよそどのような種類があるかお話しました。
いろいろなメリット・デメリットがあることがわかっていただけましたか?
さて、それでは次に何故、辞退したいのか?を考えてみましょう。一応、私なりにまとめてみましたが、お客様に「何故、これを辞退しようと思ったのですか?」と聞くことはさすがにないので、たぶんこういうことなんだろうなぁ。という推測が含まれています。
お金を心配している
香典のお返しや料理、引物など、何かをいただくと返さないといけなくなってしまいます。
また、会葬者が来ると、世間体のようなもので、祭壇も立派なやつにしないといけない。生花も増やしたほうが良いかしら?と考えてしまうかもしれません。
確かにあまりお金をかけられない事情だったりがあると、全部辞退してひっそり小さく行おう。と思う気持ちもとてもよくわかります。
しかし、お葬式自体が縮小化している現在、そんな立派な祭壇や生花にすることは近年稀になっています。なので、直葬などのほとんど式を行わない葬儀なら別ですが、普通にお通夜お葬式を行う場合は、祭壇や生花をそこまで心配することはないと思いますよ。
また、普通にお通夜お葬式を行う場合、お金のことだけを言えば、隣家の手伝いをお断りするのは金額的にプラスになりますが、他の香典供物などを辞退すると金額的にマイナスになります。
もし、本当にお金のことのみが心配なら、一番安いお葬式の方法こちらの記事を参考にしてみてください。
その後の付き合いを心配している
もし、香典をもらってしまうと、今度は私も相手のお葬式があったら出席しないといけない…
もう年もとったし、出来るだけ付き合いを簡素にしたい…
近所付き合いも身体がしんどくなってきた…
など、さまざまな事情で周りとの付き合いを続けないといけなくなるのに不安を感じているかもしれません。
自分は他県に住んでいて、田舎の両親などが亡くなった場合
この場合って結構多いです。
なんかめんどくさそうなので
離れた県などに住んでいる
自分の住んでいる地域を考える
どうしてもそうしなければならないのか?
予め準備をしっかりしておく
そして「こうすることは出来ないだろうか?」と葬儀屋に相談してみて下さい。
このブログを参考にしてもらっていろいろとイメージして、予算とやりたいことを明確にするお手伝いが出来たら幸いです。